LibreOffice Drawの作業メモを印刷しない|レイヤーの表示・印刷・ロックを分ける
配置図に残しておきたい作業メモがある場合、消さずに印刷だけから外す方法があります。Drawのレイヤーには、表示・印刷・ロックの別々の設定があります。LibreOffice 26.2 Helpに基づくDrawの操作で、Impressに同じレイヤー機能があるという説明ではありません。
図形の重なり順とレイヤーを分ける
配布する案内図と、「ここは後で修正」といった作業メモを同じファイル内で管理する例です。レイヤーは関連する要素を分ける単位です。通常のレイヤーの順番を、図形を前面や背面へ置く順番と同じものとして扱わないようにします。
まず元ファイルのコピーで、配布する図形と印刷しないメモを決めます。図形を見えなくすること、印刷しないこと、編集できなくすることは別です。どの目的で設定を変えるのかを先に分けておくと、紙に必要な図まで消したつもりになる取り違えを防げます。
メモ用レイヤーを作り、印刷だけ外す
[挿入]→[レイヤー](Insert → Layer)から「作業メモ」というレイヤーを作ります。Visibleは有効、Printableは無効にする方針にします。メモをまだ編集するので、この段階のLockedは無効で構いません。名前は自分が区別できるものにします。
既存レイヤーの設定は、下部のレイヤータブを選んで[書式]→[レイヤー]、またはタブの右クリックからModify Layerで確認します。画面で見えているかだけで判断せず、Printableの指定を必ず別に見ます。
既存のメモを、作ったレイヤーへ移す
メモ用タブをクリックしただけでは、既に描いたメモを移動した確認にはなりません。公式ヘルプでは、対象のオブジェクトを押し続けて輪郭が点滅してから、移動先のレイヤーの名前タブへドラッグし、離す方法が案内されています。
最初は一つのメモだけを移します。作業メモの表示を一時的に切り替え、目的のメモがそのレイヤーに属しているかを確認し、表示を戻します。配布用の図形まで一緒に移していないかも見ます。うまく移らない場合は、編集対象のロック状態も確認してください。
三つの設定の役割を照合する
Visibleは画面の表示、Printableは印刷するか、Lockedは編集を防ぐかを受け持ちます。完成した配布用図形を誤って動かしたくない場合は、印刷を有効にしたままロックする考え方です。ロックしたから印刷されない、といった読み替えはしません。
レイヤーを追加すると文書内の各ページにレイヤーができますが、そのレイヤーへ入れた一つの図形が全ページへ複製されるわけではありません。複数ページの資料では、各ページのメモが適切な所属になっているかを確認します。
今回の使い分け
| 用途 | Visible | Printable | Locked |
|---|---|---|---|
| 編集中の作業メモ | 有効 | 無効 | 無効 |
| 動かしたくない配布用の図 | 有効 | 有効 | 有効 |
| 印刷用に出す必要がある補足 | 有効 | 有効 | 編集の必要に応じて選ぶ |
印刷結果と、編集ファイルを渡す場合を分ける
印刷プレビューでは、作業メモが消え、必要な説明と図形は残っているかを確認します。PDFを作る場合も、その出力方法で作成した最終PDFを別に確認します。Printableの指定を、すべての書き出し形式に対する確認済みの保証へ広げないでください。
非表示や非印刷は、メモをファイルから削除することではありません。編集可能なODG自体を相手へ渡すなら、見せたくない情報の除去とは別に考えます。機密の情報を隠しただけで安全に共有できる、という扱いにはしないようにします。
次に確認すること
作業メモ用レイヤーのVisibleを有効、Printableを無効にし、まず一つのメモを移します。所属と印刷結果を確かめ、編集ファイル自体を渡す場合はメモが残っていることも踏まえて判断してください。
あわせて確認する
参考資料
- The Document Foundation:About Layers
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/sdraw/guide/layers.html
確認日:2026-10-03
Controlsの前面例外を除き、レイヤーと重なり順を同一視しない。非印刷は秘密情報除去ではない。
- The Document Foundation:Insert or Modify Layer
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/sdraw/01/insert_layer.html
確認日:2026-10-03
Drawに限る。Impressには同じレイヤー機能がないと公式に明記。PDFエクスポート全経路の保証ではない。
- The Document Foundation:Moving Objects to a Different Layer
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/sdraw/guide/layer_move.html
確認日:2026-10-03
通常のDrawオブジェクト移動。タブの選択だけで既存図形は移動したとみなさない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。