Illustratorでパターンだけ拡大縮小する|図形の寸法を保つ設定
背景の模様を大きくしたいのに、図形まで大きくなってしまう場合は、拡大・縮小の対象を分けます。Illustratorでは、オブジェクトの変形を外し、パターンの変形だけを指定できます。枠の寸法を保ったまま、模様の大きさを調整したいときに使います。
変えたいのは枠の大きさか、中の模様か
例えば、チラシの下部にある長方形を斜線模様で塗っていて、斜線をもう少し大きく見せたい場合を考えます。長方形の寸法を変える必要がないなら、図形全体を引き伸ばすのではなく、塗りのパターンだけを調整する作業です。
最初に編集用データのコピーを保存し、対象の幅と高さを控えます。また、パターンの塗りなのか、配置した画像なのかを確認してください。今回の操作はパターンに対するもので、一枚の画像の中から模様だけを取り出して変える機能ではありません。
拡大・縮小でパターンだけを対象にする
図形を選択し、「オブジェクト」→「変形」→「拡大・縮小」(Object > Transform > Scale)を開きます。「オブジェクトを変形」(Transform Objects)を外し、「パターンを変形」(Transform Patterns)を有効にします。これで枠ではなくパターンを変える対象として指定します。
縦横比を保ちたい場合は均等な倍率を設定します。例えば120%で大きくする案、80%で小さくする案を比較できますが、これは比較用の倍率例です。印刷に適した共通の推奨値ではありません。目的の図形だけが選ばれているかも確認してから適用してください。
枠の寸法が変わっていないことを確認する
適用後は、作業前に控えた図形の幅と高さと照合します。模様だけを変えるつもりだったのに枠まで変わっていたら、いったん元に戻し、変形対象のチェックを見直します。最終的な見た目だけでなく、守りたい寸法が保たれていることを確かめるのが今回の要点です。
比較用には元の図形を残し、「コピー」(Copy)で別案を作る方法もあります。コピーを重ねたままだと違いが分かりにくいので、どちらが変更前でどちらが変更後かを分けて確認してください。見本用に並べた図形を、そのまま入稿用のページへ残さないよう注意します。
模様の密度と、文字の読みやすさを一緒に見る
パターンを大きくすると見た目が変わるため、文字の背後や図形の端も点検します。例えば、強い斜線が小さな文字と重なる背景なら、模様だけが見やすくなっても資料全体が読みやすくなったとは限りません。主役が文字なのか模様なのかを基準に比べましょう。
「線幅と効果を拡大・縮小」は別の確認項目です。図形の線幅を変えるための設定だけで、パターンの変形対象まで選べたと思わないでください。今回は外形を保って模様だけを調整する目的なので、それ以外の設定をまとめて変えずに進めます。
PDFと試し刷りを、実際に使う寸法で確認する
採用する案が決まったらPDFを書き出し、元の図形の位置と寸法、模様の見え方を確認します。小さなパターンを画面いっぱいに拡大して見た結果だけではなく、実際に使う大きさで確かめてください。
最後に少量を印刷し、模様がつぶれて見えないか、必要な文字や図の邪魔にならないかを比較します。倍率を変更できたことではなく、枠の寸法を守りながら意図した模様にできたことが完了の目安です。
次に確認すること
対象の図形の寸法を控え、拡大・縮小でオブジェクトの変形を外し、パターンだけを変形します。寸法を照合した後、最終サイズで模様を確認してください。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:Scale objects
https://helpx.adobe.com/illustrator/desktop/manage-objects/reshape-transform-objects/scale-objects.html
確認日:2026-09-25
Illustratorのオブジェクト変形。数式例は線幅の比例計算であり複雑なアピアランスの実測結果ではない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。