Illustratorの影だけ印刷で粗い|ラスタライズ効果の解像度を確認する
図形や文字は滑らかなのに、影や光彩だけが粗い場合は、ドキュメントのラスタライズ効果設定を確認します。Illustratorで作った見た目が、すべてベクトルとは限りません。ただし、この設定を上げても、元から粗い画像の細部が復元されるわけではありません。
まず、その影が編集できる効果かを確認する
例えば文字の輪郭はきれいなのに、背後のドロップシャドウに階段状の粗さが見える場合を考えます。Adobeは、ドロップシャドウや光彩、ぼかしなどにも、ピクセルを生成するラスタライズ効果があると説明しています。
対象を選び、アピアランス(Appearance)パネルで効果を確認します。効果名から設定を開けるライブ効果なのか、すでに一枚の画像として配置されているのかを分けてください。完成見本の画像に含まれる影を、Illustratorの効果設定だけで作り直せるとは考えません。
文書のラスタライズ効果設定を開く
作業用のコピーを保存し、「効果」→「ドキュメントのラスタライズ効果設定」(Effect > Document Raster Effects Settings)を開きます。解像度の設定を確認し、印刷先の条件や最終的な使い方と照合します。
粗さがあるからといって、無条件に決まったppiへ上げる方法にはしません。先に現在の値を控え、必要な出力条件がある場合はそれに合わせて比較します。これは文書の効果に関する設定なので、選択した一つの影だけを直したつもりにならず、ほかの効果も確認してください。
比較では、解像度以外をむやみに変えない
同じ箇所を比べられるよう、図の大きさ、影の位置や濃さ、出力するページをそろえます。解像度だけを変えて比べる段階で、背景色や透明の扱いまでまとめて変えると、違いの原因が分かりにくくなります。
高い解像度の効果は処理やメモリの負担を増やします。数値が大きいほど常に良いと判断せず、必要な仕上がりになるかを確認して採用します。設定変更後も、影の広がりや文字との重なりが意図したままかを見てください。
すでに画像になっている場合は、元のデータへ戻る
アピアランスで対象の効果を編集できず、影も含めて配置画像になっている場合は、元の制作データやより適切な画像を確認する作業に切り替えます。ドキュメントの効果解像度を変更しただけで、配置画像に足りなかった細部が増えたとは扱いません。
また、粗さを直すために、図や文字を新たにまとめて画像化する手順にはしません。ライブ効果の設定を調整することと、オブジェクトをラスタライズして画像へ変えることは、別の操作です。元の編集可能なデータを保ちながら比較しましょう。
同じ条件でPDFと試し刷りを比べる
変更前と変更後を、同じPDF出力条件で作成して比較します。影だけでなく、文字の端、小さなアイコン、ほかのページの効果も確認してください。設定を変えたこと自体ではなく、出力で問題が改善したかを見ます。
最後に最終的な印刷寸法で少量を出し、影の粗さと文字の読みやすさを確かめます。改善しない場合は、原因を効果の解像度だけに決めつけず、画像やPDF出力、印刷側の条件を分けて調べてください。確認できた設定と比較結果を残しておくと、再出力時にも役立ちます。
次に確認すること
影がライブ効果かを確認し、コピーで現在の解像度と必要条件を照合します。同じPDF設定・同じ印刷寸法で変更前後を比べてください。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:Apply effects
https://helpx.adobe.com/illustrator/using/effects.html
確認日:2026-09-25
編集可能な効果に関する設定。すでに画像化した素材の細部を復元したり、すべての出力に一律300ppiを要求したりしない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。