LibreOffice Calcの絞り込み後の合計を出す|SUBTOTALの9と109を使い分ける
表示している行だけの合計を載せたいとき、まず「どうやって行を隠したか」を区別します。CalcのSUBTOTALでは、フィルターで除外した行と手動で非表示にした行の扱いが異なります。LibreOffice 26.2 Helpを基に、数量の合計を印刷する小さな例で確認します。
五件の数量を、まだ隠さずに用意する
A1を「会場」、B1を「数量」とし、2行目から順に「北・12」「南・20」「北・8」「北・5」「南・15」を入力します。数量は文字ではなく数値にします。この五件は説明用の架空データで、全部を足した期待値は60です。
集計結果は、データを絞り込む範囲の外へ置きます。例えばD1を「手動非表示も含む」、E1を「手動非表示を除く」とします。合計行自体を元データ範囲へ混ぜず、どのセルの数量を集計するのかを見分けられる形にします。
9と109の式を並べて入れる
D2に `=SUBTOTAL(9;B2:B6)`、E2に `=SUBTOTAL(109;B2:B6)` を入力します。この例は関数の引数区切りにセミコロンを使います。9と109はどちらも合計ですが、手動で非表示にした行を含めるかが異なります。
まだ行を絞ったり隠したりしていなければ、この入力例の期待値は両方60です。結果が違う場合は、参照範囲、数値の入力、既に非表示の行がないかを確認します。SUBTOTALは範囲中の文字や空セルを無視するため、数字に見える文字が混じっていないことも重要です。
フィルターで北の会場だけを残す
A1:B6を選び、[データ]→[オートフィルター]を実行します。会場の値のリストから北だけを表示する条件を選びます。ここで除外するのは南の二行です。表示を整理するために元の行を削除する操作ではありません。
北の数量は12、8、5なので、期待する合計は25です。フィルターで除外した行は9でも109でも集計から外れるため、この段階の期待値は両方25になります。どちらかだけ南を含めるという違いではありません。
一行を手動で隠したときの差を見る
北の行が見えている状態から、元の4行目にある数量8の行を手動で非表示にします。このとき、9を使うD2は手動非表示の8を含む25、109を使うE2はその8を除く17が期待値です。12+5と、12+8+5を別々に足して照合します。
手動で隠した行を再表示すると、両方25へ戻ることを確認します。非表示行をどう扱うかは資料の目的で決めます。隠した理由が「配布対象から除く」なのか「画面を見やすくするだけ」なのかで、採用する合計が変わるためです。
独自データから数え上げた期待値
| 表示条件 | 9の合計 | 109の合計 |
|---|---|---|
| 五件をすべて表示 | 60 | 60 |
| フィルターで北のみ | 25 | 25 |
| 北のみ、数量8の行を手動で非表示 | 25 | 17 |
| 数量8の行を再表示 | 25 | 25 |
紙に出す合計の横へ、対象条件を残す
25や17という数字だけを印刷すると、どの会場や行が対象なのか分かりません。「北の会場、手動非表示行を含む」など、採用した条件が読めるようにします。フィルターを変更した後も、見出しの条件が古いままになっていないか確認します。
実際の資料では、対象行の数量を別に足した値と照合し、プレビューでも合計と条件が一緒に読めるかを見ます。関数が正しく計算していても、除外した行の判断そのものが正しいとは限りません。誤って隠した行がないかも含めて確認してください。
次に確認すること
同じ範囲へ9と109の式を置き、フィルターだけの場合と手動非表示を加えた場合を比べます。何を合計に含める資料なのかを決め、その条件と合計を一緒に印刷してください。
あわせて確認する
参考資料
- The Document Foundation:Mathematical Functions — SUBTOTAL
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/scalc/01/04060106.html
確認日:2026-10-03
SUBTOTAL節だけを使用。例の数値は独自に数え上げた期待値で、Calc実行結果ではない。
- The Document Foundation:AutoFilter
https://help.libreoffice.org/latest/en-US/text/scalc/01/12040100.html
確認日:2026-10-03
本稿は一シートの連続表。複数シートのフィルター設計を扱わない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。