Photoshopのレイヤーカンプでレイアウト案を切り替える|画像のバックアップとは別
チラシの見出しを左に置く案と右に置く案を比較するとき、表示や位置を何度も手で戻すのは面倒です。レイヤーカンプなら、選んだレイヤー状態を記録して案を切り替えられます。ただし、写真の画素や文章の内容を過去の版へ戻すバックアップ機能ではありません。デスクトップ版Photoshopでの使い分けを説明します。
記録したいのは配置か、画像の内容かを分ける
レイヤーカンプは、レイヤーの表示・非表示、位置、外観など、選択した状態を記録します。画像そのものの編集履歴を保存する機能と混同しないでください。本稿では通常のレイヤーで二案を作り、スマートオブジェクト内部のカンプ切り替えは扱いません。
たとえば見出しの文言も変えるなら、本稿では「見出しA」と「見出しB」を別レイヤーとして用意し、表示を切り替える設計を勧めます。一つの文字レイヤーを書き換えた後で、カンプを選べば前の文章も戻るという運用にはしません。必要な元データは別途保存しておきます。
A案を整え、記録する状態を選んで保存する
[ウィンドウ]→[レイヤーカンプ]を開き、A案の表示状態と位置を整えます。パネル下部の新規作成ボタンからカンプを作り、「A_左寄せ」のように違いが分かる名前を付けます。
記録する項目では、今回切り替えたい表示、位置、必要に応じて外観を選びます。位置の違いを比較したいのに表示だけを記録するなど、目的と項目を取り違えないことが重要です。コメントには「見出しAを表示、左へ配置」のように意図を書いておくと、後の照合にも使えます。
続けてレイヤーをB案の状態へ変え、「B_右寄せ」を別のカンプとして作成します。新しい案を残したいのか、既存案を上書きしたいのかを先に決め、作成と更新を使い分けます。
名前の選択だけでなく、カンプを適用して往復する
カンプを見るときは、対象の適用アイコンでその状態を適用します。名前を選んだことだけで、画面もその案へ戻ったと判断しないでください。
A案、B案、A案の順に切り替え、見出しの表示、位置、外観が意図どおりかを確かめます。本稿の二案なら、A案で見出しAが見え、B案で見出しBが見えること、余計な見出しが重なっていないことを見ます。
この往復確認を行うと、単に現在の画面が良く見えるだけでなく、残したかった二つの状態を呼び戻せるかを確認できます。写真の編集内容まで戻るテストとして扱わないことも重要です。
更新は保存済み状態の変更、警告消去は復元ではない
A案を修正して保存し直す場合は、対象のカンプを選び、必要な表示や位置などを変更して、カンプを更新します。記録する項目が不足していれば、カンプのオプションも確認します。比較前の案を残したいなら、先に別案として保持する判断が必要です。
レイヤーを削除・統合した場合など、カンプを完全には復元できなくなると警告が出ることがあります。警告を消す操作は、削除したレイヤーを復元する処理ではありません。また、更新すると以前に記録した状態が置き換わります。
警告が出たら、まず内容を読み、必要な案を復元できる元ファイルがあるかを確認します。警告がなくなることだけを目標に更新を繰り返すのは避けましょう。
案ごとのファイルを書き出し、配るものを見直す
カンプは[ファイル]→[書き出し]のLayer Comps To Filesから、形式と保存先を選んで個別ファイルに書き出せます。編集用のレイヤー付きファイルと、比較のために配るファイルを分けて管理します。
書き出した後は、ファイル名と中身の案が一致するか、二つの見出しが同時に出ていないか、残したかった写真と注意書きが見えるかを確認します。確認用画像を作れたことと、印刷所へそのまま入稿できることは別です。
レイヤーカンプは、レイアウト案の比較を繰り返しやすくする道具です。元画像の保存、印刷サイズ、画質、色の条件は別に確認したうえで、採用案を決めます。
次に確認すること
A案→B案→A案と切り替えて状態を再現できるか確かめ、案ごとに書き出したファイル名と中身を照合します。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:Photoshop layer comps
https://helpx.adobe.com/photoshop/using/layer-comps.html
確認日:2026-09-28
通常レイヤーによる案比較。画素・文字内容のバックアップや入稿適合性の保証ではない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。