カラーPDFを白黒印刷する|グラフと凡例を読める状態にする
カラーPDFを白黒で出すだけなら、Acrobat Readerの印刷画面でグレースケールを選べます。ただし、赤と青で区別したグラフが、紙でも区別できるとは限りません。白黒に変えた後は、凡例と系列を対応づけられるかを確認し、難しければ元データの表現を直すかカラー出力を選びます。
グレースケールで印刷する
デスクトップ版Acrobat ReaderでPDFを開き、印刷画面のPrint in grayscaleに相当する設定を有効にします。Adobeの説明では、カラーPDFをグレーの階調で出力する設定です。
ここで変えているのは印刷の出し方です。この操作をしただけで、保存済みの元PDFが白黒のファイルに変わったとは考えないでください。白黒版のファイルを配る必要がある場合は、実際に配るファイルも別に開いて確認します。
写真が見えるかより、意味を区別できるか
最初に見るのは、色だけで分類している図表です。系列の線を凡例と対応づけられるか、強調した箇所が分かるか、薄い背景に置いた文字が読めるかを確認します。異なる色でも出力後の濃さが似ていれば、見分けにくくなります。
たとえば「赤線が計画、青線が実績」としか書いていないグラフは、線が追えてもどちらが計画か分からなくなる可能性があります。色がなくても答えられるか、という視点で紙を読んでみてください。
元データを直せるなら、文字や線種を足す
編集できる資料なら、系列名を直接書く、実線と破線を使い分ける、マーカーの形を変えるなど、色以外の手掛かりを加えます。凡例だけでなく、線や棒の側にも対応する手掛かりを持たせると、見比べやすくなります。
W3CはWeb向けに、色だけを情報の区別に使わず、形や文字も併用する考え方を説明しています。ここではその考え方を紙の図表に応用しています。これだけで紙資料の規格適合や、すべての人の読みやすさを保証するものではありません。
白黒の見た目と、黒インクだけの印刷は別
グレースケールを選んでも、使うインクが黒だけとは限りません。たとえばキヤノンPRO-310の説明では、カラーインクも使うグレースケールと、所定の設定で黒・グレーだけを使う方法が分かれています。
これは「どのプリンターもカラーインクを必ず使う」という意味でもありません。使用インクを制限したい場合は、自分の機種の取扱説明で確認します。Acrobatの白黒設定だけから、インク代や印刷料金の削減額を推定しないでください。
直せないPDFは、重要なページだけでも試し刷りする
配布されたPDFを編集できない場合は、図表が多いページを実際の用紙と設定で試します。プレビューで分かったように見えても、紙の上で凡例をたどれないなら、そのまま大量印刷しないでください。
白黒で意味を保てない部分がある場合は、白黒用の資料を作成者に依頼するか、そのページをカラーで出す方法を検討します。ページを選ぶときは、本文のページ番号とPDF内の順番の違いにも注意しましょう。
次に確認すること
グラフがある1ページをグレースケールで試し刷りします。色名を使わずに系列を説明できるか確認し、判別できなければ資料の表現か出力方法を変えましょう。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:Print PDFs in Acrobat Reader
https://helpx.adobe.com/reader/desktop/print-pdfs.html
確認日:2026-09-21
2026-06-21更新表示のデスクトップReader資料。全ブラウザーやモバイルアプリへ適用しない。
- W3C:Understanding SC 1.4.1: Use of Color
https://www.w3.org/WAI/WCAG22/Understanding/use-of-color.html
確認日:2026-09-21
Web向けの説明を紙の図表へ応用しています。紙資料の規格適合判定として使うものではありません。
- キヤノン:PRO-310:Grayscale Printing
https://ij.manual.canon/ij/webmanual/PrinterDriver/W/PRO-310%20series/CO/EN/PPG/dg-c_monochrome.html
確認日:2026-09-21
PRO-310のWindowsドライバーの例。他機種の使用インクは、それぞれの取扱説明で確認します。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。