Illustratorで図形の外側に縁を作る|オフセットパスと拡大の違い
図形の周りへ同じ幅の縁を付けたいとき、複製して拡大するだけでは各辺の隙間がそろわない場合があります。Illustratorの「オフセットパス」は、元のパスからの距離を指定して別のパスを作る方法です。ここでは線や効果のない長方形を使って違いを確認します。
倍率をそろえても、隙間の幅はそろわない
説明用に、横40mm・縦20mmの長方形を考えます。中心を保って110%へ拡大すると、外形は44×22mmです。元の長方形と重ねた場合、左右の隙間は各2mmですが、上下は各1mmになります。横と縦で元の長さが違うため、同じ倍率でも増える距離が違います。
四辺からそれぞれ2mm外へ出したいなら、この例の外形は44×24mmです。この寸法例は、角を直角のまま外へ出す単純な長方形の計算です。複雑な形や線幅・効果を含む図形へ、同じ外形寸法の計算を無条件に当てはめるものではありません。
パスからの距離を指定して複製する
編集用の元データを残し、作業用コピーで長方形を選択します。[オブジェクト]→[パス]→[オフセットパス]を開き、オフセットの距離と角の形状を指定します。今回の例では外側へ2mmとし、直角の角を保つマイターを使います。
この操作は別のパスを作る方法です。確定後は元の長方形と外側のパスを区別して選び、外形と位置を確認します。縁を背景として使うなら外側のパスに色を付け、元の長方形より後ろへ配置します。元図形を消してしまう操作や、線幅だけを太くする操作とは区別してください。
角の形と、狭い部分のつぶれを確認する
オフセットの設定には、角の結合の種類とマイターの制限があります。角を丸くするのか、尖った形を残すのかで見た目が変わるため、距離の数値だけで完成としません。今回の長方形は分かりやすい例ですが、鋭い角や入り組んだ形を扱うときは個別の確認が必要です。
細い隙間がある図では、外側へ広げた結果、隣の形と近づきすぎる場合があります。縁が同じ幅であることだけを優先せず、文字や別のマークに重ならないかも見ます。想定外の輪郭になったら、距離や角の設定を見直し、元の形を参照できる状態を残して作り直します。
印刷用の塗り足しやカット線とは別に判断する
この手順で作った2mmの縁が、そのまま印刷会社の塗り足しやカット線の条件を満たすとは限りません。2mmは操作を理解するための例です。入稿用の寸法や専用の線を指定されている場合は、印刷先の条件を別に確認します。
最後に外形の寸法と、元の図形が意図した位置に残っているかを確認し、PDFでも四辺と角を見比べます。印刷時に用紙へ合わせて縮小すれば、紙の上の縁の幅も変わります。データ内の距離を設定したことと、実寸で印刷できたことは別の確認として扱ってください。
次に確認すること
倍率で拡大する代わりに、外側へ出したい距離をオフセットパスで指定します。元図形・外形・角を照合し、入稿条件や実際の印刷寸法は別に確認してください。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:オフセットパスによる複製オブジェクトの作成
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/desktop/manage-objects/edit-objects/offset-duplicate-objects.html
確認日:2026-09-28
線や効果のない閉じた長方形とマイターの例。110%と2mmの比較は独自の幾何学計算で、アプリ実測や印刷会社の塗り足し指定ではない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。