入稿PDFをAcrobat Proで検査する|プリフライトの解析と修正を分ける
印刷用PDFの確認にはAcrobat Proのプリフライトを使えます。最初は内容を変えない「解析」で問題を調べ、修正が必要な場合にだけ対処を選びます。「解析してフィックスアップ」は文書を変更するため、検査のつもりで押さないことが重要です。
先に、入稿先が求める条件を用意する
プリフライトの結果は、選んだ検査条件に対する結果です。入稿先から指定されたPDF/Xの種類や検査用プロファイルがあるなら、その条件を確認します。名前に「印刷用」とある設定を選ぶだけでは、今回の注文条件に一致したと判断できません。
元の制作データと、これから調べるPDFを残しておきます。検査の途中で修正まで必要になる可能性を考え、受け渡し用の最終PDFを直接上書きし続けないよう、確認用のコピーで作業すると区別しやすくなります。
プロファイルの説明と、検査する範囲を見る
Acrobat Proで「すべてのツール」から印刷工程のツールを開き、「プリフライト」へ進みます。旧画面では「ツール」→「印刷工程」が入口です。使うプロファイルを選び、何を調べる条件なのかを説明欄で確認します。
検査のページ範囲や、表示中のレイヤーだけに限定する設定も確認します。一部のページだけを調べた結果を、文書全体の結果として使わないためです。まず全文書の確認が必要か、特定箇所の調査なのかを決めましょう。
最初は解析だけを実行する
内容を変更せずに調べるときは「解析(Analyze)」を使います。「解析してフィックスアップ(Analyze And Fix)」は、問題を調べると同時に修正を適用する操作です。修正を含むプロファイルをダブルクリックした場合も、修正が実行されることがあります。
フィックスアップには色の変換や透明効果の統合などがあり、文書を恒久的に変えます。警告を減らすことだけを目的に実行せず、元データで直すべき問題か、PDFへの修正でよいかを一件ずつ判断します。
PDF/Xの情報表示と、準拠の検証も区別する
PDF/Xとして渡されたファイルは、規格パネルの「準拠を確認」から検証する方法もあります。規格情報が表示されていることと、その場で検証したことは分けて扱います。Readerで情報が見えることを、Acrobatの検証機能を実行した証拠にはしません。
規格に合わせる変換と、すでにあるPDFを検証する操作も別です。どの規格が必要か分からないまま別のPDF/Xへ変換せず、入稿先へ条件を確認します。結果にはファイル名と検査した規格・プロファイルを一緒に残してください。
問題を直したら、最終PDFで再検査する
修正した後は、その修正が反映された最終PDFを開き、同じ必要条件で再検査します。以前の版が合格していても、後で差し替えた画像や書き直した本文までその結果で確認したことにはなりません。
検査が終わっても、注文した内容とページ順、本文の欠落、写真の見え方は別に確認します。機械的な検査条件に合うことを、文章の正しさや印刷会社の受理の保証に広げないことが、最後の確認点です。
次に確認すること
入稿先の条件を用意し、検査範囲を確認して解析だけを実行します。必要な修正後は、実際に渡す最終PDFで結果を取り直してください。
あわせて確認する
参考資料
- Adobe:Analyzing documents with the Preflight tool (Adobe Acrobat Pro)
https://helpx.adobe.com/acrobat/using/analyzing-documents-preflight-tool-acrobat.html
確認日:2026-09-26
Acrobat ProのPreflight。選択したprofile・page range・layerの範囲を文書全体の品質保証へ拡張しない。
- Adobe:Correcting problem areas with the Preflight tool (Acrobat Pro)
https://helpx.adobe.com/acrobat/using/correcting-problem-areas-preflight-tool.html
確認日:2026-09-26
Acrobat Proのfixup。警告数を減らす目的の自動修正や失われた品質の復元機能として扱わない。
- Adobe:PDF/X、PDF/A、PDF/E 準拠ファイル(Adobe Acrobat Pro)
https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/pdf-x-pdf-a-pdf.html
確認日:2026-09-26
規格情報の確認と検証。特定のPDF/X版の採用推奨や印刷会社の受理保証には使わない。
出典は各記事の判断に必要な範囲で参照しています。機種・アプリ固有の操作は、他の環境で同一になることを保証しません。条件を置いた計算例と、メーカー等が明示した仕様を区別してください。